靭帯について④

いつもご覧いただきありがとうございます!

院長のながしまです。

今回も靭帯について話をしていきたいと思います。

今回は肩周りにある代表的な靭帯とその障害を説明していきます。

まず、下の写真を見て下さい。
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この3枚の写真は肩の骨模型を前・上・後面から写したものですが、今回は
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この3種類の靭帯について書いていきます。

赤○  :  肩鎖靭帯(けんさじんたい)
青○  :  烏口鎖骨靭帯(うこうさこつじんたい)
黄○  :  烏口肩峰靭帯(うこうけんぽうじんたい)



肩鎖靭帯は肩甲骨と鎖骨をつなぐ靭帯です。

烏口鎖骨靭帯は烏口突起(うこうとっき:肩甲骨にある突起)と鎖骨をつなぐ靭帯で、実際は菱形靭帯(りょうけいじんたい)と円錐靭帯(えんすいじんたい)の2靭帯をまとめて烏口鎖骨靭帯と呼びます。

烏口肩峰靭帯は烏口突起と肩峰(けんぽう:肩甲骨の一部)をつなぐ靭帯です。


このような靭帯で肩の上方を補強しています。

この中でも肩鎖靭帯と烏口鎖骨靭帯は『肩鎖関節(けんさかんせつ)』を構成する靭帯であり、この靭帯が損傷することで『肩鎖関節脱臼』を引き起こします!!

では、肩鎖関節脱臼について簡単に説明していきたいと思います。

肩鎖関節脱臼は大きく分けて3つに損傷程度を分類します。

Ⅰ型(捻挫):肩鎖靱帯の部分的な損傷

Ⅱ型(亜脱臼):肩鎖靱帯が断裂し、烏口鎖骨靱帯は部分的に損傷し鎖骨の外端がやや上に浮き上がります。

Ⅲ型(脱臼):肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯ともに断裂して鎖骨の外端が完全に上に浮き上がります。

次に脱臼している方向による分類は以下のものがあります

後方脱臼:肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯ともに断裂しています。鎖骨の端が後ろにずれている脱臼です。

高度脱臼:Ⅲ型の程度の強いものです。肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯ともに断裂しています。

下方脱臼:鎖骨の端が下にずれている非常にまれな脱臼です。


この中でもⅠ~Ⅲ型を上方脱臼と呼び、肩鎖関節脱臼のほとんどが上方脱臼となります。

肩鎖関節上方脱臼は15~30歳に好発し、男性に多いと言われております。(コンタクトスポーツで発生することが多いため)

しかし、実際は中年以上にもかなり多く見られます!!(酔っ払って転ぶから?)

肩を直接ぶつけたり、転んで手を突いたりした際に発生します。

症状は鎖骨の外端に痛みが出て、Ⅱ型以上になると鎖骨外端が階段上に突出し、外見からでも損傷が分かります。
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腕の挙上が困難になり、前から挙げるより横から挙げる方が痛みが多いそうです。

飛び出した鎖骨外端は上から押すとへこみ、指を離すと再び突出する様子がピアノのキー(鍵盤)を操作した様子に似ていることから『ピアノキー症状』とも呼ばれます。

治療としてはⅠ型の場合なら三角巾などで手を吊るし、安静にしていれば3週ほどで回復します。

Ⅱ型の場合もⅠ型と変わりませんが、鎖骨が上方へ突出しているので、その鎖骨をテーピングなどで鎖骨を上から押し込むように固定します。

やはり固定期間は3週ほどかかります。

Ⅲ型の場合は固定か手術か、話し合いながら決めます。

スポーツに早く復帰したい場合や、見た目を気にする場合は手術した方が治りが良いので勧めますが、運動など行わない場合や、手術をしたくない場合は固定して様子を見ます。

基本的に固定のみの場合は鎖骨が突出したまま治ることが多く(完全な固定が容易でないため)見た目は『あ~出てるね』のような感じになりますが、痛みが取れれば日常生活にはほぼ支障はありません!!

どういう動作で痛みが出て、増悪するか?、動きはどうか?を診て、治療内容を説明させていただきますので、痛みや違和感が気になる方はご相談ください。